ロボットケーブルの曲げ半径とは?求め方や重要性をわかりやすく解説
曲げ半径とは「ケーブルを無理なく曲げられる最小のカーブの大きさ」です。
曲げ半径が短すぎると、ケーブルが潰れたり裂けたりします。反対に長すぎると、余剰部分がたるんで他ケーブルと干渉してしまいます。
曲げ半径は、ロボットケーブルの配線において、必ず理解しておかなければならない要素です。
「これまで曲げ半径について特に意識せずに配線をしていた」「曲げ半径について知っておきたい」とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
今回はロボットケーブルの曲げ半径の求め方や重要性、適切な長さなどについてまとめました。
ケーブルメーカーの立場から、難しい用語は極力使用せず、分かりやすく解説します。
記事を最後までチェックすれば、ロボットケーブルの曲げ半径について、ひと通り理解できます。
ロボットケーブルの曲げ半径とは?わかりやすく解説
曲げ半径とは「ケーブルを無理なく曲げられる最小のカーブの大きさ」です。
例えばホースを無理に折り曲げると、内側が潰れて水が止まったり、外側が裂けて水が溢れたりします。
「こういった事態を避けるために必要な曲がり方」を求める際に必要なのが、曲げ半径です。
ロボットケーブルは、繰り返しの屈曲や可動に耐えなければなりません。そのため曲げ半径は非常に重要な設計指標となります。
曲げ半径が適切でないと、ロボットケーブル内部に過剰な力が加わり、断線や損傷へとつながるでしょう。
固定部分は比較的小さな半径で曲げられます。しかし可動部分には、繰り返し動く点を考慮して、より大きな半径が必要です。
ロボットケーブルを扱う上で、曲げ半径の理解と遵守は、基本かつ必須の要素です。
ロボットケーブルの曲げ半径を超えて配線するとどうなる?
ロボットケーブルは、曲げ半径を無視して配線することも可能です。
しかし曲げ半径を無視すると、ロボットケーブルに過剰な力が加わって急速に劣化が進行し、寿命が短くなります。
曲げ半径を超えた状態でロボットケーブルの使用を続けていると、最悪の場合断線につながるでしょう。
ロボットケーブルが突然断線すると、稼働停止による損失は避けられません。
そのため、曲げ半径を遵守したロボットケーブルの配線が欠かせません。
なお曲げ半径の誤り以外にも、ロボットケーブルが断線につながる要因はあります。詳しくは以下の記事で解説しています。
関連記事:ロボットケーブルの断線対策4つと断線の主なメカニズム・原因を解説
ロボットケーブルの曲げ半径の求め方
ロボットケーブルを固定部に配線する場合、曲げ半径の目安は外径の4倍以上必要です。可動部に配線する場合は、6〜10倍以上必要です。
またケーブルキャリアに配線する際のロボットケーブルの曲げ半径は、外径の7.5倍以上が理想とされています。
外径とは、ケーブルの最も外側部分の直線距離(直径)のことです。ケーブル自体に厚みがある場合、ケーブルの外側の直径と内側の直径では、長さが異なります。
このうち外側の直径を外径、内側の直径を内径と言います。
例えば外径が1cmのロボットケーブルをケーブルキャリアに配線する場合、曲げ半径の目安は7.5cmです。
曲げ半径は、Rゲージなどを使って測定可能です。
曲げ半径はケーブルの種類や用途によって異なる
1つ前の項目で、固定部配線時の曲げ半径は外径の4倍、可動部配線時は6〜8倍、ケーブルキャリアに配線する際は7.5倍とお伝えしました。
しかしロボットケーブルの曲げ半径は、製品や使用環境で異なります。
一般的には、可動部用よりも固定部用の方が、そして外径が小さい方が、曲げ半径は短く済みます。
曲げ半径の目安は、前述した方法を用いて、自力での計算も可能です。しかし製品カタログや資料に記載されているケースもあるので、必ず確認しましょう。
ロボットケーブルは長すぎても短すぎてもいけない
ロボットケーブルの長さは、可動範囲と配線環境に応じて、適切に設定することが重要です。
長さが短すぎる場合、ロボットケーブルが常に引っ張られた状態となり、十分な曲げ半径を確保できません。屈曲によるストレスが集中して、寿命を縮める原因になります。
一方で長さが長すぎる場合には、余剰部分がたるみ、他のケーブルと干渉するリスクが高まります。
例えば摩耗や引っ掛かり、誤作動などのリスクが生じるでしょう。
ロボットケーブルは、長すぎず短すぎず、過不足のない適切な長さでなければなりません。
適切な長さとは、動作範囲全域を無理なくカバーでき、かつ不要なたるみを避けられる最小限の長さです。
どのような環境でも曲げ半径を満たすにはカスタムケーブルがおすすめ
ロボットケーブルは、使用環境や動作条件などにより、求められる曲げ半径が異なります。そのため既製品では、必要な条件をすべて満たせないかもしれません。
そこでおすすめなのが、カスタムケーブルです。カスタムケーブルでは、その名のとおり必要に応じてケーブルを自由にカスタムできます。
例えば曲げ半径を短くできる素材を使用すれば、狭小スペースでもロボットケーブルを配線できるでしょう。
また曲げ半径の長さのみならず、耐油性・耐熱性・耐薬品性など、さまざまな条件をカスタマイズ可能です。
カスタムをする分、通常のケーブルと比べると導入コストはかかります。しかし断線や早期劣化のリスクが抑えられるため、長期的に見るとコスト減へとつながります。
どのような環境下でも、必要な曲げ半径を満たしたいのであれば、カスタムケーブルの採用が最も合理的な選択肢です。
カスタムケーブルはニューテックスにおまかせください
株式会社ニューテックスは、ロボットや産業機械に使われるケーブルを販売している企業です。本社は埼玉県富士見市にあり、2024年には創業60年を迎えました。
各種標準品のケーブルに加え、用途に応じたカスタムケーブルの設計・製造にも対応しており、幅広い業界のニーズに応えています。
もちろん曲げ半径を抑えられるロボットケーブルの提供も可能です。
カスタムできる内容・箇所の例は以下のとおりです。
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ノイズ対策:銅編組、横巻シールド、2重・3重シールド
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施工性:柔軟性、複合化、摩耗性
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細径化:構造検討(導体サイズ、絶縁体厚さ、シース厚さ、ケーブル構成)
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難燃性:UL VW-1試験対応、垂直トレイ難燃試験対応
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使用環境:耐熱性、耐油性、クリーンルーム 高張力化:特殊導体
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高屈曲性:特殊導体、特殊エラストマー
標準納期は1〜3ヶ月です。
他社が製造できない仕様にも対応可能で、一品一様のオンリーワン製品をご提供いたします。
まとめ
ロボットケーブルの曲げ半径の求め方や重要性、適切な長さなどについて解説しました。
断線を避けるためにも、最小曲げ半径を満たした配線を心掛けましょう。
ロボットケーブルには、狭小スペースにも無理なく配線できるカスタムケーブルがおすすめです。
株式会社ニューテックスでは標準品のケーブルに加えて、カスタムケーブルも提供しています。ぜひ以下より、詳細をご確認ください。
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